役員ご挨拶
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ハルナに希望の未来を!
グループ代表 青木 清志

去る2016年2月23日、ハルナビバレッジ株式会社は創業20年を迎えました。多くの方に支えていただきました。紙面をお借りして、皆様に御礼申し上げます。

この20年の中で、当グループが何を大事にしてきたのかを振り返ると、「人」が真っ先に私の頭に浮かびます。長らく、当グループでは「人材」という言葉は、「材」という字を当ててきましたが、昨今「財」と捉えるようになってきました。
誰しも人間は、真っ先に自分のことを考えます。それが行動の起点になる。しかし、それで終わらないで、すっと周囲に目が向かう。そして、人のために存在させられている。そのことに気づくかもしれません。「ああ、自分ひとりで生きているのではないな、助けられているな」。あるいは、「様々な関係の中で共存しているな」と気づく。そのとき人は、「材料」から一歩離れるのでしょう。
しかし、一方で、主体性を重んじることも大事です。主体性は確実に持っていないとなりません。ここからすべてが始まり、その上で、人への配慮がなされる。そこに、人間性が問われるのでしょう。

 

■リーダーに必要な資質とは

 

組織には、リーダーという存在が必ずいます。リーダーの人とそうでない人の違いは、何でしょうか。リーダーを自負している人、その人は何を一番大事にしているのか。自分の価値観の中で、何を優先しているのか。これらを紐解いてくると、明らかになってくるでしょう。
私はリーダーとは、ものの本質を見極められる人だと考えます。ものには本物と偽物があります。しかし、本物以外が皆、偽物でもない。「出来損ない」もあるからです。品質不良を起こしたときに、一概に「ほら偽物だ」とは言えません。本物へ向かおうとした「出来損ない」です。本物の条件を満たせなかったのは、作る側の落ち度です。
ものの本質を見極めようという姿勢があっても、これを実現できないことは、ままあります。この数を限りなく少なくしていく。人が行う以上、ゼロはありえません。
本質なものとは、シンプルな姿です。例外なしに、そう言えると思います。そこに到達するのは、非常に難しい。だが、どこまでも追い求めることに意味があります。それは会社経営でも同じです。複雑な形というのは、誰も評価できない。スカっとした姿の方がわかりやすい。それが、ものの本質の特色だと思います。
また、リーダーというのは、範になる行動を取れる人ではないでしょうか。だから尊敬されます。リーダーが先頭に立って、物事を遂行する。何をするのか、という目的は明快でないとなりません。さらに、この行為が周囲にどうつながるのか。それをしっかり意識する。そうしないと、その行為は浮いてしまうかもしれません。つながりは、常に頭に置いておかなくてはいけません。
物事を行うとき、昨日やったけれど、今日は初めてだ、という気持ちが大事です。既視感というのは緩みを与えてしまうので怖い。常に新鮮な気持ちで事に当たると、違う発見もあるでしょう。
起業家精神というのは、様々な問題を想定し、対処法、リスク管理法などの総合力を持つことです。何か事が起きたとき、この精神を持っているのか持っていないのかでは、行動に違いが出ます。この判断力が大きく作用します。しかし、崩れやすいものでもあります。なぜかというと、やはり人間は楽をしたくなるものだからです。だからといって、これを意識の中に留めておかないとやっていけません。
これから新しい10年に向け、当グループの幹部の皆さんには、「起業家精神」を養っていってほしいと願っています。

 

■未完成には次なる期待が込められている

 

続いて、企業を継続させることについて、考えてみます。
企業を継続させていくなかで重要なのは、やはり顧客です。顧客との関係を疎かにしたら、どうしてもうまくいかないでしょう。ですから、それぞれが独立して成り立つものでもありません。互いの合意が形成されているわけです。そのために、それぞれの企業が最高の差異をつくり出して、その価値観の中で、その企業が存在していく状況が考えられていきます。
しかし、それで終わるわけではありません。双方が確認をしながら、しっかりと互いの満足を得る。経過の中での合意は局面のものであり、永続するものではありません。5年、10年と続けられるケースはありますが、そこから派生するものは時系列において変化していきます。ですから、企業の価値は時間の中で、失われていくケース、そうでないケースとある。経営を間違えると、価値の減損が生じます。それほど怖いものはない。常に、その変化の中で対策を練っていかなくてはなりません。
ただ、経営は未完成といっても、ある局面では、しっかり完成した姿になります。音楽でいえば、「未完成交響曲」です。あのシンフォニーは最後でぷつりと切れていますが、聴衆に一体何だろう、という気持ちにはさせていません。しかし、シューベルトという作曲家にしてみれば、未完成です。自分の想いは、もっと違うところにもある。経営者も同じです。未完成の部分を荒々しく残してしまってはいけません。つまり、赤字になるということです。未完成だけれども、経営にとってのある局面での努力というのは、やはり黒字であるということ。そして、大事なのは次につながっていくこと。つながる措置を取っておく。そこまで配慮してあればいいと思います。
「未完成交響曲」には、次への期待が込められています。毎年失敗しないためには、今年は何が悪かったのか、十分に探って手を打つ。そこに戦略が鮮明に映し出されたら、翌年に大きな期待ができます。経営者は、その希望をつくらなければなりません。これは責任でもあります。

 

■迷ったら理念に立ち戻る!

 

経営というのは、甘いものではありません。甘えていると、必ずしっぺ返しがくる。しかし、経営は楽しいものでもあります。自分で構想・計画したものを実行し、結果が出る。その成果が様々横に広がっていく。それが達成感として、経験できる。これは楽しいことです。私は20年間、経営に携わってきましたが、よく聞かれます。「実に苦労なさったでしょう」と。しかし、「違います。楽しかったです」。いつもそう答えています。
経営をするということは、結果として、この楽しさが生まれてこなかったらやりきれません。苦しいことの連続では、ストレスで参ってしまいます。そこまで人間は強くない。楽しかったから、20年間やってこられた。その水準まで自分をもっていくことが、すばらしい経営なのかもしれません。
当然、悩みや迷いはあります。それらを吹き飛ばしたり、一歩を踏み出そうとする、そのとき重要になってくるのが、会社の理念です。これが核になる。その核が、事例を解決していくということです。どの国にも憲法があり、法に支配されています。企業もいわば商法に支配されています。しかし、貫いていくものは法律ではなく理念。そこをしっかり押さえておくことが必要です。
ふと、なぜこのような活動をしているのだろうと考えるときがあります。社会貢献という言葉も湧いてきますが、具体的に考えると何だろうか。グループに直接的に関わる人、その背景にいる人、この集合体が社会をつくっています。そうだとすると、人が生存していける環境に貢献していくのが、企業活動のひとつの目的だと思います。

 

■最終的な「顧客」は誰なのか

 

さて、ここからは新たな時代について、考察していきましょう。
これから16、17、18年度と進んでいく中で、どういう変化が必要なのか。いろいろと取り組んでいるお客様とのフェアな関係性を、今後さらに進められるのか。そして、ハルナの継続――現場の維持、研究開発を含めた――するための費用をどう捻出するのか。これらの問題を時代への変化を織り込みながら、事業計画をつくっていく。今は、その最中にいます。
当グループは、この3年間で株式を公開して上場企業となるために邁進しています。さらに、そこを通過していこうというわけです。そのためにグループとして、どういう備えをし、そこに携わる人たちがどういう意識をもって経営していくのか。これからの10年、何を除き、何を残し、何をつくるのか。これらのことを十分に考えていかなくてはなりません。しかし、案外、携わっている経営幹部当人は気づかないものです。ですから、チームの中で議論し、ひとつの判断をする。一人の判断では難しいので、複眼で見ないとなりません。
いよいよ、この4月から新しい組織に変わりました。一番の違いは、ハルナプロデュースにおいて、何を誰のためにどうつくるのかというテーマを、一つの会社で実現しようとしていることです。ひと言で「顧客」といっても、様々な顧客がいらっしゃる。ただ、最終的な顧客をイメージしたとき、間違ってならないのは、それは消費者だということです。消費者の「NO」を受けたら、そこで止まってしまいます。
つまり、私たちは消費者の心理を読まなければいけません。読み方を一つ間違えると、遠回りし無駄をする。マーケティングというのは、先頭を走って方向と方針を示し、その対価を受け取りますが、最終的な消費者から受け取るわけではありません。

 

■ワーク&ライフ・バランスを率先する!

 

新たなスタートを切った当グループにおいて、まだまだやり残している課題があります。そのうちの大きな喫緊の問題2点について触れていきます。
今、ワーク&ライフ・バランス、この難しい問題を協議しているところです。日本の中で、この問題に取り組む企業が、もっと増えてもいいと思います。ところが、私の知る限り少ない。個人は個人、会社は会社、そういう時代ではなくなりました。
来年度は消費増税を控えています。消費は落ちる。そう推察しますから、計画はしっかり持っておかないといけません。落ちたときにどうするかでは、もう遅い。それに、2020年度までに増税はまだ行われるでしょう。15%までは行くかもしれない。反対にここまで行かなければ、負債をどう解決するのか。少しずつ消費税を上げ、ソフトランディングするしかないと思います。それに、年金も下がっていきます。ですから、企業は仕事と暮らしを一緒に考える。世の中どうなろうが、当グループは従業員とその家族を路頭に迷わせるわけにはいきません。
当社の掲げる「ハルナビジョン」というのは、経営の骨格です。人間でいえば背骨。その背骨を支えている筋肉(組織や血管)づくりは、各事業会社が行っていきます。ただ、それらを作り出していくエネルギーは、個人の役割が重要です。つまり、健康が何よりも大切になってきます。仕事が終わったら、家族と健やかに過ごす時間も必要です。
そのために、会社の中で現在、どういう不具合があるかを皆で考えてきました。食であり、体づくりであり、技術であり、就業に当たっての様々な新しい取り組みを始める前の準備を行ってきました。会社が補助をして皆さんの健康な体づくりに貢献しようと思います。

 

■リスクマネジメント、レジリエンスの重要性

 

記憶に新しい4月14日に熊本地震(熊本・大分中心)が発生しました。あそこまで被害が大きくなるとは、誰も想像していなかったと思います。しかし、これが現実です。
リスクマネジメントとレジリエンスという言葉があります。これらにおいて、回復への時間をいかに手堅く短縮させるかが鍵になります。どこの現場においても時間を無駄にしないで、原状を回復することが一番必要です。時間ほど大事なものはありません。
東日本大震災のとき、東京電力の当時の社長が「想定外」という言葉を使いました。しかし、あれは詭弁です。想定はできました。学者たちも防波堤の高さについては、東電に進言していた。多大な費用がかかるものですから、その進言は聞き入れられませんでした。
当グループにおいては、今後「予想外」「想定外」という言葉を使わないようにします。そのために、レジリエンスという概念をじっくり勉強し、私たちのリスク管理の手法としていきたいと思います。
そもそも、レジリエンスというのは「想定できない」という言葉です。この「想定できない」ということを、私たちは頭から外す必要があります。これは、容易ではなく大変なことですが、今後「想定外でした」という言い訳を用いて仕事を進めたら、災害に直面したときに「仕方がなかった」ということになってしまう。すると、そこで事業の継続は不可能になります。誰もそんなことは望んでいないはずです。ならば、どうするかという考えに至ります。
リスク(危機)には、その前後に段階があります。前段階が準備、後段階が処理です。レジリエンスの基本は、問題が起きたときにその後段階として、いち早く原状回復させるということです。どうすれば原状に立ち戻れるのか。その手立てを社会工学的に捉え、考え方を構築しなければいけません。
従来の考え方は、建築物であれば火災に弱い物を強くするなど、目に見える形で対策を立てていました。それはどこでもやっていることでしょう。ただ、本格的にやっているかどうかの違いだけです。社会工学的な視点というのは、様々な地域のインフラ、行政の持つインフラ、国レベルの公的な資源等、社会活動的なものすべてに踏み込みます。それぞれが連携を深めて、各事例の中でどう使いこなすか、双方向の問題でもあります。それをきちんと私たちの設計の中に織り込んでおくのです。
これから本当に知恵を出し合って日常の問題を考えたときに、やはり目に見える範囲のことで終わってしまうこともあるでしょう。5年前の福島原発事故を見て、2011年7月から予想外の出来事に対処していかなくてはならないと思い立ち、当グループでは、まずは生産現場の「視える化」を推進してきました。視える化の目的は、現在レジリエンスの実行にあたり、一番大きな要素をはらんでいると思います。視えることによって、限りなく想像力が働きます。何か異常が起きたときも、管理者は画面を通して見ることができるのです。
視える化はハードだけではなく、ソフトの問題においても、確実に動かしていかなくてはいけません。生産の現場ばかりではなく、経営の全体も視える化にする必要があります。公開性ということが、当グループの最大の特徴でもあり、武器でもあり、誇りでもあるのです。このリスクにあたって十分に準備をし「予想外だった」という嘆きを、社員お互いに交わし合うことを可能な限りなくしていこうと思います。
これから本格的に健康に関しても、総合的に捉えていきます。レジリエンスという問題を実行していきます。

 

※本文は、平成28年2月29日、3月28日、4月28日開催のビジネススクールの講義内容を編集・加筆したものです。


平成28年4月1日 ハルナグループ代表 青木清志

社長ご挨拶

ハルナグループは、飲料市場が大きな変革期にありながら、これからのマーケットニーズに適応し、高品質な飲料製品の開発、製造、物流を通じて現在、あるいは新たな顧客や消費者が感動し、満足する価値の創出を継続し続けること、また、社員一人ひとりが顧客志向・顧客満足とは何かを考え続け、それを実現する人財の育成を経営ミッションとしております。
現在、グループ従業員は400名を超え、事業会社5社、自社プラント6ラインの規模に成長してまいりました。その経営資源をさらに活かして、小さくともイノベーションを創出し、独創性ある「飲料プロデュ―サー」として、ステークホルダー皆様から大いなる期待と満足を得られる企業グループを目指し、微力ながらも社会に貢献していきたいと考えております。
これからも多種多様な新たな飲料ブランド製品をグループ商品開発力、生産技術力、マーケティング力によって、顧客志向を核として、いかにして新たな価値を生み出すかを思考いたします。当社独自のバリューチェーンネットワークである、全国の協力工場様、容器・原料メーカー様、設備機械メーカー様など、すべてのパートナー企業様の知恵を結集し、プロデュース能力を磨き、お客様に貢献してまいります。
そして、ハルナグループ中期経営計画である「ハルナビジョン2018」を一つひとつ着実に実現し、ステークホルダー皆様に信頼され、支持されるよう挑戦し続けてまいります。今後とも皆様のご指導、ご支援の程、よろしくお願い申し上げます。

平成26年4月1日
ハルナビバレッジ株式会社 代表取締役社長 青木 麻生